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2012年7月29日日曜日

浮世絵探検 高橋克彦


 高橋克彦著「浮世絵探検」は浮世絵に関する対談集で、ゲストが多彩でとても面白い。1997年岩波書店刊なので、少し古い本であるが、文庫版も出ていて、手軽なので時々読み返している。その中で、宮地真人( 東京大学史料編纂助教授・当時 現・東京大学名誉教授)が次のように語っている。

「ペリーが来たという事が歴史的な事件ではない。アメリカの黒船は、アジアでもアフリカでも、どこでも来ている。どこでも来ているけれども、あれだけ大騒ぎになったのは日本だけだという事が問題なのだ、と。来たということよりも、どう受け止められたかという問題を視野に入れないと、民衆レベルの意識の問題というのは出てこないのではないか。そういう視点で、近世における非文字資料、とくに画像資料が何を担ったのかというのは、相当大事な問題だろうと思っています。」

 正鵠を射るとはまさにこのことで、「西南・日清戦争錦絵美術館」もこの視点を大事にしていきたいと思っている

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